資源価格高で中国の貿易収支は赤字に

中国のインフレ懸念の方向性

FXの達人さんによる2016年から17年の為替相場焦点まとめ

2016年から17年にかけ今後の数カ月間、外国為替市場の参加者は、①中東の政情不安、②わが国の大震災、③欧州の財政危機(ユーロ危機)、④中国のインフレの4片からなる複雑なジグソー・パズルを組み解かねばならない。結論を先に述べれば、筆者は、円安が進行する可能性大とみている。

資源価格高で中国の貿易収支は赤字になるだろう。

資源価格と食料価格の高騰が中国経済を直撃している。中国税関総署が、3月10日に発表した2月の貿易収支は73億ドルの入超と、2010年3月以来、11ヵ月ぶりに赤字となった。原油などの国際商品価格の高騰によって輸入額が膨らんだことがその主因である。

 

一方、同国国家統計局が翌11日に発表した2月のCPIは、前年比4.9%の上昇となり、1月の同4.9%に引き続き、政府の年間の抑制目標である「4%」を大幅に上回っている。全体の3割程度を占める食品が同11.0%上昇した一方、中東情勢の混乱から原油価格が高騰し、一部の工業製品において値上げの動きが本格化している。

 

新興国経済の資源効率は一般的に低く、当該経済の高成長は必然的に資源価格の高騰をもたらすが、中国もその例外ではない。加えて、世界的な過剰流動性と中東の政情不安が中国のインフレに拍車をかけているといえる。

FX投資雑感

円の独歩安トレンド明確に。年末に向けて1ドル90円台へ上昇。 さて今年も終わりになりかけているが2016年から17年までの予想を考えてみたいと思います。短期的には、中東情勢の混乱、わが国の震災による先行き不透明感から、ドル円相場にはダウンサイド・リスクが残る。ただ、円売り介入に対する警戒感も強く、欧州では、利上げ観測と財政懸念が交錯するため、主要3通貨に明確なトレントを求めるべきではない。あえて言えば、中国の引き締め政策を受けた中国元買いが望ましい。しかし、わが国経済が震災被害からの復興期に入り、中国経済の減速が明確になり、加えて、米国の量的緩和の解除が現実味を帯びてくれば、円の独歩安トレンドが明確となる可能が高い。ドル円相場は、年末に向けて90円台へ上昇するとみている。

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